12月28日の朝は、前日（というか当日AM2時帰り、K田さんも一緒）呑んだにも関わらず目覚めがよかった。ので。 数日前からK田さんと「正月前に紀伊半島一周しようか」の提案に悩んでいたが、決心し、さっそくK田さんにメール。準備をそそくさとして返事も聞かず車のハンドルを握った。 とりあえず、K田さんを迎えにいってやろうと思い、環八が混んでいるだろうから16号へ出て横浜方面（K田さんの家）を目指した。 しかし途中で電話すると、K田さんは躊躇。（あとで結局断念）かまわずそのまま厚木から東名に出て、出発点と決めた大阪を目指した。道路は年末にもかかわらず浜松までは順調。しかし名古屋、京都へ入るところで渋滞。結局京都は8時頃に。8時間近くかかったことになった。疲れたので一旦京都で高速をおり宿を探すことにした。うろうろしているうちに時間が過ぎてしまい、疲れた目がしょぼしょぼして地図も宿の本も焦点が合わず見ることが出来ない。最近老眼が顕著。懐中電灯付きの天眼鏡が次回は必要だ。（翌日ホ−ムセンタ−で探したがなかった）京都の何処にいるかもわからず目の前にあったサウナで仮眠をとることに。起きたら12時すぎていた。関西は聞いてはいたが、運転の荒いドライバーが多かった。何度か危ない目にあった。交差点のまん中で止まっている車や、逆車線を走ってくる暴走族風のノーヘルミニバイク。年末だからか、あちこちにパトカー、そして追い掛けているパトカーも見た。 そうこうしてるうちに大阪の街を走っているのだが、標識を見てもどこへ行っていいやら分からない、地図も一番大きな文字しか読めない。深夜2時ごろ、奈良にちかずいていることに気付く。このころちょっとやる気が無くなりはじめ「やめようか」の危機。一旦、24時間レストランに入り、仮眠と、作戦を練ることに。なんとか気を取り直し、海岸線を目指す。（夜の走行は景色が見えないので気力を無くす原因となる、夜間走行はダメだと確信する）なんとか迷いながら堺港に着き、国道26号にでた。しばらくして和歌山県に入った。 12月29日 眠くなるので仮眠しては走る。午前6時30分和歌山県の海南市に着いた頃、明るくなりはじめる。ガソリンスタンドで「朝日の写真撮りたいんだけど、この辺いいとこないですか？」「朝日？このあたりは夕日きれいなんやけどな、朝日は拝めまへんで」「へっ夕日？」そうなんだ。大平洋だから「朝日」と決めつけていてはいけません。昨日東名の浜名湖PAで綺麗な夕日に見とれて一時間もいたのをすっかり忘れてました。確かに日本列島の地図を見ると良く分かります。これこそ実際に列島を自分で行ってみないと実感出来ません。（ってこれは私だけ？失礼。） そのスタンドで、昨日の東名では若いアンチャんが何人もいて、給油中窓も拭かずにのんびりと世間話ししてるのに、こんな時間おじいちゃん一人で窓しっかり拭いてくれるなんて・・・・っと感心していたら。また別な布で拭きはじめていてなんか慌てた雰囲気だった。「ん」と思ったけど、お金を払って暫く走っていると窓が急に白く曇りだした後ろの窓なんか真っ白で見えなくなってる。オヤジ、ワックス拭ったヤツでやりやがった。 国道42号を走る。ずっと有田みかんのだんだん畑、畑のほとんどが西斜面。「やはりみかんも西日で甘くなるんだ、林檎と同じだな」とここでは百姓の倅らしくさきほどの教訓を生かし賢く感心して・・・やがて梅の段々畑。右はキラキラの大平洋。朝食にありつこうと、トラッカーの利用しそうな食堂を探す。 午前8時、海岸に迫り出したレストランにはいる。 2面プラスもう一面が少し、つまり180度見渡す限り海の素晴らしいロケーションの店、ひとりオヤジ（といってもたぶん同じぐらいの歳）が客でいるだけ。そのオヤジが「大将、ここの朝セット、ごっついで、頼みなはれや」。みるとジミ−大西と間カンペイを足して2で割ったような顔、（他人の顔をどうこう言える立場にャありませんが、あまりにピッタシの表現なんで）朝からビールをもう大瓶2本呑んでる。 海は朝日が雲の間からもれてカーテンのようになっている。素晴らしい景色、おもわず見とれている、慌てて写真を撮る。「ああ来て良かった」ここで実感する。 いわれたとおりメニューにない「朝セット」を注文する。来てみてビックリ、朝から固形燃料付きの鍋まで着いてる。こりゃ一体いくらなんだ。気が着くと結構高そうな店。「ええっ豪華だなあ」と言うとすかさず 「でっしゃろ、それで800円やで」と大西カンペイ。これはついてる。 「大将、新聞記者？カメラマン？女房の他に愛人3人ぐらいいそうだな」と・・・なんじゃそりゃホメとんかい？「とんでもありゃあせんよ」というと「女房はいるんだろ」だって、「そりゃひとりはいますけど」「ああっそう・・・」と寂しそうに言って海見ながらビールを呑んでいた。変な会話だった。 朝日 来て良かった！ 800円の朝食