8月14日快晴
秋田のビジネスホテルを朝7時に出発。八郎潟をすぎるとまた、綺麗な海岸線。何処まで走っても何時止まっても素晴らしい景色。青森県に入る。右は世界遺産の白神山地、左は紺碧の日本海。いよいよ当初目的の岩木山だ。千畳敷海岸で写真を撮り、鯵ヶ沢町から県道3号線で岩木山を目指す。日本海側から見た岩木山は山の中にある。地図のとおり岩木山をぐるりと岩木山環状線の県道30号を一周しようと思い、左回りのコースをとった。なかなか稜線のきれいな岩木山が見えない。とうもろこしの売店があった。「岩木山が綺麗に見える場所はどこ?」と聞いてみる。すると「ここは、岩木山だ。見えないよ。弘前のねえずっと下、平野の方からだ」。そうだった山すその外周を回ってもあの平野から見える岩木山には出会えないことに気づいた。富士山だってちょっと離れた清水市とかのほうがいい。ポイントを探すことにした。岩木山環状線の県道30号をやめ、真直ぐ弘前の市街地を目指す。振り返ると、写真で見た「果樹園の後ろの岩木山」が見えてきた。走る、止まるを繰り返す。さらにもっといい場所がないかと方向関係なく走る。細い農道のような道にまで入る。岩木山にこれほどまでこだわっている自分がなんか可笑しくなってきた。そしてそこに着いた。弘前市板柳町、大きな河の堤防から眼下より限り無く続く林檎園。その向こうに富士山よりなだらかなきれいな稜線、ここだと思った。そして改めてみる・・・大きい、とにかくTVや写真で見ていた時に感じなかった大きさ。「大きい」と独り言をはっきりした声で発した。そして涙が出てきた。唇を震わせて泣いた。これが津軽富士「おいわきやま」だ。これを見に来た。しばらくボー然と眺める。カメラを構えるのも忘れていた。この山を信仰しないはずがない。太古の昔から津軽の人はこの山を毎日、春夏秋冬見て育ち、そして死んでいった。目まぐるしく変わる人間の営みをよそに全く変わることのない、山。静かな山だけど私には、まるで「ずっとを見ていたぞ」と言わんばかりに腕組みをしてどっかりあぐらをかいて誰かがそこにいるような気がした。

透明な海だ


イカやきを食べた


イカを干す